「ラ・フィユ・マルガルデ」全幕公演
「ラ・フィユ・マルガルデ」
この作品は、フランス革命が起こる2週間前1789年7月にボルドーのグラン・テアトルで初演されたコメディバレエです。民衆の生活を描いた史上初のこのバレエは、たちまちのうちにその時代の最も人気のあるバレエの一つとなり、以来色々な演出版が作られました。現在受け継がれている版では、ヘルテル作曲によるボリショイ版と多数の作曲家の曲をミックスしたロイヤルバレエ団のアシュトン版が有名です。
「ラ・フィユ・マルガルデ」の直訳は“下手に監視された娘”ですが、日本では作品のタイトルとしてあまりピンとこないため「リーズとコーラス」「リーズの結婚」「リゼット」「無益な用心」などの名前で上演されたりしています。
あ ら す じ
第一幕 フランスの片田舎シモーヌ未亡人の農家の庭
麦の収穫の5月のある日、この家に住むシモーヌは亡夫の遺産である農場と家を守って一人娘のリーズと暮らしている。暁を告げる鶏たちにより農場の忙しい一日が始まる。シモーヌは一人娘のリーズを村一番の金持ち・ぶどう園主トーマスの息子アランと結婚させようと密かに策を練っている。リーズには貧しいけれど働き者で気立ての良い農夫コーラスという恋人がいて、こればかりは母の指図どおりはならない。
母の目を盗んでこっそりリーズはコーラスに会いに庭に出るが、会えずにがっかりして恋結びのリボンを残していく。やがてコーラスはそれを見つけてそっと抜け出してきたリーズと会う所に、母親シモーヌが邪魔に入り娘にバターをかき回す仕事を言いつける。
農場へ働きに出る若者たちがリーズを誘うがいつも母親はリーズから目を離さない。
そこへ金持トーマスが知恵遅れの息子アランを連れ「リーズを自分の息子の嫁に」と申し入れる。シモーヌは上機嫌で一同はピクニックに出かける。
第二幕 農場近くの野外
収穫祭の準備にひと働きした後、若者たちは楽しい踊りで一息入れる。陽気な騒ぎに農夫達が笛を吹くと、アランはこの時こそ自分の出番だと思うが農夫達は彼を笑い者にする。それに腹を立てた父親によりアランはこの悪ふざけから救い出される。
コーラスの姿を見つけて怒るシモーヌに一同は踊りをすすめ、彼女は木靴の踊りを披露する。楽しいにぎわいの中、突然嵐が訪れ、人々はびしょ濡れになり散り散りに去っていく。
楽しい物語のあらましは、このポスターの下段に掲載しました。

第三幕 シモーヌの家
嵐でびしょ濡れの母と娘は慌しく家に戻ってくる。ほっと一息ついたところでリーズはコーラスと会うためにシモーヌから扉の鍵を盗みたいと思うがうまくいかない。
母親は「リーズを忙しく働かしておけば いたずら心を起こす暇はないだろう」とあれこれ用事を言いつけるうちに眠たくなってくる。門の所にコーラスの姿を見たリーズは眠っている母親から鍵を取ろうとするが、手間賃をもらいにきた農夫達のノックでシモーヌは目を覚ます。
このとき彼等はシモーヌに気付かれないようコーラスをうまく隠して家の中に入れる。
そうとは知らぬシモーヌは農夫たちに労いの一杯を飲ませるために娘に自分の花嫁衣裳を仕立て上げておく様に云いつけ家を出ていく。
コーラスが身近にいることは知らぬリーズは彼との結婚生活の楽しさを夢見る。そこにコーラスが飛び出て来て彼女はびっくりして顔を赤らめる。二人が愛を誓い合うのも束の間 シモーヌが戻ってきたので、リーズ達は慌ててコーラスをリーズの部屋に押し込む。
そうとは知らないシモーヌは、云いつけていた仕事を終わらせていないリーズを叱り、彼女の部屋に押し込み鍵をかけてしまう。
そこへアランと父親が婚約をはっきり取り決めようと公証を求めてやってくる。サインも終わり支度金がシモーヌの手に渡る。
そこでシモーヌは上機嫌でリーズの部屋の扉を開けると、そこにはコーラスと一緒のリーズの姿。
皆が驚く中、二人はシモーヌに許しを乞う。
トーマスとアランは激怒するが、シモーヌはとうとう譲り、二人を許す。
恋人たちは大喜びする。