豊かな情感伝わる大園エリカの「ジゼル」トップページへもどる次へ

〜大園バレエスタジオ第4回公演〜  音楽舞踊新聞  佐伯 久美

大園バレエスタジオは習志野市に本拠を置き、その活動の歴史は30年を超える。
現在の主宰者は大園エリカさん。
今回の演目は、全幕ものとして「ジセル」を持ってきた。主要なソリストを外部からの女性ゲストではなく、統一されたスタイルで上演したいということから、同スタジオのメンバーが熱演した。

バチルド姫には安達悦子、ベルタには谷桃子バレエ団の山本すみれ、アルブレヒトにクロアチア・ザグレブ国立バレエ劇場のプリンシパル、イリール・ケルニを迎え、要所を固めた。ジゼルは大園エリカが演じた。

演出は第-幕をヴァレンティン・バルテス、第2幕は大園エリカで、コラリ、ペローに基づいている。大園エリカのジゼルが映える。マイムが踊りに溶けこんだエピソードもよく表現され・大園の豊かな感情が伝わってくる。

2幕でもしっかりした大きなテクニックで見せ、軽快な演技は、妖精のようにも見える。

人間的な役割を演じて見せたケルニも、第2幕の夢幻性を引き立て、かつドラマティックな舞台を展開させた。

ヒラリオンのヴァレンティン・バルテスら脇もそつなくこなし、安定した舞台を見せた。村娘やウィリー達は可愛い舞台を見せたが、少しばかり幼すぎたところもあった。今後の舞台には大きな期待を持っているから、その成長ぶりは今から楽しみだ。

-部では「バレエコンサート」での小品と、「くるみ割り人形」第2幕が上演された。

『ガムザツディのヴァリエーション』は、昨年千葉県芸術舞踊協会選抜ジュニア奨励賞を受賞した作品(ブティパ、ミンクス)で加藤優季(03年習志野市教育長賞受賞)が将来を期待させる表現力のある踊りを見せ、『春の水』より(メッセレル、ラフマニノフ)での飯島マリ子、高橋ゆうじの踊りも印象に残り、「くるみ割り」での豊浦亜希子、佐竹真奈らも大きな成長を予感させた。

(85日習志野文化ホール)

活気のある舞台 (週間オンステージ新聞 2003919日号)

大園バレエ「ジゼル」      山野 博大

【習志野】大園バレエスタジオが「ジゼル」全幕他による第四回公演を行った。
基礎固めの段階を終え、今回ようやく大園エリカの得意とする「ジゼル」の上演
にまでこぎつけたというわけだ。それだけに配役はぜいたくなものだった。

もちろんタイトルロールは大園自身が踊り、その相手役のロィス(アルブレヒト)
にはクロアチアザグレブ国立オペラバレエ劇場のプリンシパルであるイリール・
ケルニを起用した。またヒラリオンにはヴァレンティン・バルテスを、そして
バチルド姫には松山バレエ団時代からの盟友である東京シティ・バレエ団の
安達悦子を、ベルタには谷桃子バレエ団出身の山本すみれを配して、芝居の
枠組をゆるぎないものとした。

一方で、ペザントとミルタの市川忍、ドゥー・
ウイリーの豊浦亜希子、佐藤禎子
をはじめコール・ド・バレエは子飼いのメン
ーで固め、スタジオ全体の実力の
高まりをアピールした。

ドラマチックな展開のある第一幕は要所を固めたベテランたちの動きにより、
踊るところの多い第二幕はスタジオの若手たちのがんばりにより、活気のある
舞台が出来上がった。その流れに乗って大園エリカとイリール・ケルニの

カップルの奥行きのある演技がみごとに花開いた。

大園はバレエの枠組を逸脱
するような熱演は避け、あくまでも踊りの範囲でジゼル
の心情を構造的に描く
バレリーナだ。過剰な演技よりは、しっかりとしたテクニック
による人物表現
を目指すケルニは、その大園の方法にぴったりのパートナーだった。

バルテスのヒラリオンもかなり芝居に抑制が効いていて、気品のある安達のパチルド
の演技と共に作品の重要なボイントとなった。

その他「くるみ割り入形の第二幕とバレエ・コントという盛り沢山のプログラムが
あり、スタジオの若い芽たちの順調な成育ぶりが示された。

      (85日、習志野文化ホール)       山野 博大